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第106回薬剤師国家試験 問152解説(理論問題:薬理)

 

第106回薬剤師国家試験 問152解説

 

問題文

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解答

3,5

解答選択までの思考

1:瞳孔括約筋が弛緩したら縮瞳するはずなので誤りです。

2:セビメリンといえばシェーグレンの治療薬です。M₃受容体に行かなくてどうする    の?

3:間違ったことは言ってないですね。

4:M₁受容体にかかわる薬物はピレンゼピンしか知りません(国家試験受験脳的感想です)。メペンゾラートは腸管麻痺の治療薬ですね。腸管麻痺はM受容体に作用するので誤りです。

5:Ca²⁺を遮断するとは?わからないときは保留します。

 

追記事項

ムスカリン受容体のキーワード

M₁:自律神経節

M₂:心臓

M₃:平滑筋

Achのキーワード

1.ムスカリン受容体刺激

2.腸管平滑筋収縮

3.腸管麻痺(弛緩しっぱなし)

 

解答時に意識していること

薬品名から考えて回答していくのが王道だ、とは思っています。学習時にはその方が頭に残りやすい気がします。しかし問題を解くときにはまず問題文中に矛盾が生じていないかを見るようにしています。その方が安定して得点できてしまうからです。国家試験の問題は、正解の文については卒業研究等で学習していない限り完全に初見の文章が混ざります。下手したら一文丸ごと知らない情報です。一問一答みたいに暗記するのが苦手な場合は割り切って問題文中の間違いの部分に線を引いて手痛い失点を避けるようにするのも戦略だと思っています。

本問でいえば選択肢1が該当しています。これはどの医薬品を当てはめたとしても必ず誤りの文章です。省けるとおいしいですね。選択肢2のセビメリンは適応症が珍しい医薬品です。口腔乾燥症状に対して用いる医薬品なので、コリン作動薬になるはずです。M₂といえばまず心臓なので、やっぱりこれも選べない選択肢となります。

選択肢5のCa²⁺イオンチャネルの遮断についてですが、Ca²⁺の細胞内流入を抑制することで平滑筋の収縮を抑制する効果があるということをたった今知りました。invitro試験の結果だそうです。へー。