医薬品回収情報クラスⅡ(R3.5.7)
PMDAメディナビ掲載内容概略
配信年月日
R3.5.7
回収医薬品
セフェピム塩酸塩静注用1g「CMX」
一般名
セフェピム塩酸塩水和物(CFPM)
製造販売業者の名称
株式会社ケミックス
対象ロット
AV0416~AV0420
出荷時期
2020年09月23日~2020年11月17日
回収理由概要
安定性モニタリング(12か月目)のpH試験において測定値が承認規格外となったため。
危惧される具体的な健康被害
pHに関しては、点滴静注を行う場合、配合する輸液のpHが大きく影響する為、投与時に当該製品のpH値による影響はないものと推測されます。また、定量値、類縁物質を含めた他の試験項目は適合しております。よって重篤な健康被害の恐れは低いと考えております。なお、現在までに本件に関する健康被害の報告は受けておりません。
効能・効果又は用途等
・一般感染症
・発熱性好中球減少症
医薬品概要
一般名
セフェピム塩酸塩水和物
薬効分類
セファロスポリン系抗菌薬(第4世代)
セフェピム塩酸塩水和物の特徴
抗緑膿菌作用のある抗菌スペクトルのきわめて広いセファロスポリン系です。緑膿菌、βラクタマーゼ産生菌をはじめとした耐性度の高いグラム陰性桿菌感染症に用いることができるため、優先順位の低い切り札の薬剤です。発熱性好中球減少症の適応もあります。
ついでに勉強するなら
・腎機能低下時の抗菌薬の選択について
抗菌薬は多くが腎排泄型であるため、腎機能をチェックして用法・用量を決定する必要があります。クレアチニンクリアランス(Ccr)の簡易な推定方法としてコッククロフト・ゴールト式を覚えることをおすすめします。実務実習および国家試験の対策として有効だと考えているからです。
Ccr=(140-年齢)×体重(kg)/(72*血清クレアチニン値(mg/dL))(×0.85:女性の場合)
腎機能低下時に用量調節が必要ない薬剤はセフトリアキソン、クリンダマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、アジスロマイシン、クロロマイセチン、リファンピシン、リネゾリド等が挙げられます。