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第106回薬剤師国家試験 問153-154解説(理論問題:薬理/病態・薬物治療)

第106回薬剤師国家試験 問153-154解説

 

問題文

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問題文

解答

問153:4 

問154:1

 

問153解答選択までの思考

ラメルテオンは名前からわかるメラトニン製剤です。だからそれ選べばいいですね。4です。終了!

問153追記事項

・ラメルテオンはメラトニン受容体アゴニストです。睡眠―覚醒リズムに働きかける薬剤であるため、向精神薬とは機序が異なる医薬品です。初回指導時に「この薬はリズムを整えるためのお薬です。そのため今日服用してすぐには効果が出るわけではありません。多くの方は2週間程度効果が出るまでにかかっています」みたいな内容を添える必要があります。

・問153に出てくるオレキシン受容体阻害薬(ベルソムラ®)や本問で問われているラメルテオン(ロゼレム®)はいずれも「不眠治療薬」ではありますが「向精神薬」に指定されている医薬品ではありません。したがって、35日処方、56日処方等の投与日数制限で引っかかる心配が無いです。お盆やお正月等の長期休暇の際に制限に引っかかりますよ!という内容の疑義紹介は不要なのでそれもまた安心ですね。実務の処方箋から疑義紹介をするための問題の選択肢として、あえて35日処方にして眠剤の日数が長すぎる的な選択肢をいれて罠にかけてきそうですよね!注意です!笑

 

問154解答選択までの思考

睡眠導入だけなんとかすればいいんでしょう?なら1で十分ですよね??

 

問154追記事項

・症例問題回答時に私が注目している内容は「年齢・性別・検査結果」です。今回であれば26歳の女性ということで妊娠の可能性があるのが注意点になります。

 20~40女性:妊娠の可能性があります。特記事項が無い場合は閉経前と仮定して薬剤選択をする必要があります。

 15歳未満:小児なのでNSAIDsに注意(基本は使わない)。あとはタクロリムス外用(プロトピック®)ですね、わざわざ小児用の規格があるので成人用の規格が出てきて×の選択肢はあってもいいかもしれません。

 65歳以上:高齢者なので、催眠薬等の医薬品の初回投与量に上限があるので注意

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休憩



おまけ

・薬剤師の国家試験では、判定が微妙な選択肢は現状出てきていません。「臨床的には使ったりする」みたいなものは国家試験としては基本出てこないので、とにかく禁忌の薬剤を選ばない・第一選択薬だけ頭に入れて行くことが大切だと思います。三次治療以降は受験生の正答率が著しく下がると思うので、合否を分ける選択肢には当てはまらないかなと思っています。