採用医薬品
感染治療薬として職場で採用されている薬剤はレムデシビル・ニルマトレルビル/リトナビル・モルヌピラビルです。変に検索に引っかかりたくないので商品名は控えておきます。結論として、調剤時に最も手間取らない医薬品はレムデシビル、一択です。
調剤時の注意点
レムデシビル
・保険収載医薬品
・腎機能による減量基準なし
・点滴なので嚥下能力関係なし
・1日1回点滴、基本5日間、最大10日間
・成人と40kg以上の小児に対して通常1日目は200mg/day、2日目以降は100mg/day
・体重3.5kg以上40kg未満の小児にはレムデシビルとして、1日目は5mg/kgを、2日目以降は2.5mg/kg
・溶解液は注射用水、生理食塩液で希釈
・つまり対して注意点無し
ニルマトレルビル/リトナビル
・保険未収載
・成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児に投与可能
・腎機能による減量基準あり【中等度の腎機能障害患者(eGFR[推算糸球体ろ過量]30mL/min以上60mL/min未満)には、ニルマトレルビルとして1回150mg及びリトナビルとして1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与すること。重度の腎機能障害患者(eGFR 30mL/min未満)への投与は推奨しない。】
・錠剤は普通の大きさなので嚥下出来れば内服は可能
・併用禁忌薬が多くて内服薬確認に手間がすごいかかる(写真参照、ちゃんと使用されている内服薬ばかり)、併用注意はさらにすごい量だから省略する
モルヌピラビル
・保険未収載
・18歳以上に投与可能
・腎機能による減量基準なし
・カプセルのサイズが大きすぎる(長径21.7mm、短径7.64mm)、そしてそれを1回に4個飲む(2cmのカプセル飲み込むの結構勇気いると思う、嚥下能力が万全でないとまず飲めない)
入手について
・保険収載医薬品は通常の医薬品同様に発注したら早ければ当日中に届く。事前に発注してある程度貯めておくことも可能であるため緊急入院に対応可能
・保険未収載医薬品は平日15時までに患者情報を送って翌日に配達(日祝は含まないので土曜日の夕方に緊急入院した場合は火曜日に発注分が到着、月曜祝日なら水曜日に到着、そんなに待ってられない。これ1年以上こんな状態なんだけどせめて日祝も対応してくれないかな、さすが役所)。事前に発注しておくことも不可能だからたくさん用意することもできず数人分しか予め用意することはできない
従って入手経路的にもレムデシビル一択となってしまう。入手できない薬は存在しないのと一緒。レムデシビルは点滴なので入院しないと使えないから自宅待機の人には渡せないし、なんかうまくいかないですね。国産もあんまり良くなさそうで承認見送りですし。
雑談
n度目、感染が拡大してますね。2022/7頃からは救急外来で検査・診断⇒自宅待機の流れが多いし、夜間に親子でアセトアミノフェン持って帰る調剤もしました。報道では病床使用率50%とか見ましたが、正直どこにそんな隙間があるのかと言いたくなりますね。重症の病床とかですかね。