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第106回薬剤師国家試験 問156-157解説(理論問題:問156薬理・問157薬物治療)

第106回薬剤師国家試験 問156-157解説(理論問題:薬理)

 

問題

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問156問題文

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問157問題文

解答

問156:1,4

問157:4,5

解答選択までの思考

問156の考え方

2:リウマチ治療において、ジスルフィド結合→開裂です。抗体分子はジスルフィド結合によって形を保っているからです。しかもぺニシラミンはチオール基を1つしか持っていないです。いろんなところで切り捨てられる選択肢です。

3:JAK阻害はトファシチニブかバリシチニブですね。どちらでもないのでダメです。エタネルセプトのキーワードは「おとりレセプター」ですし。

5:これこそエタネルセプトですね。トシリズマブはIL-6がキーワードです。

問157の考え方

1:消化器の腫瘍マーカーなので誤りです。

2:CPKは筋細胞内に含まれているので、これが血中に多いと筋細胞が破壊されていることを疑います。国試的には横紋筋融解症との連携の問題で注意するべきです。リウマチの疼痛は筋細胞の壊死に起因するものではないので選びません。

3:KL-6は肺の疾患で注意するマーカーです。間質性肺炎を疑うときに注視する項目になります。

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閑話休題

追記事項

バリシチニブについて

薬効分類は抗リウマチ薬(DMARDs)です。ヤヌスキナーゼ(JAK1,JAK2)阻害薬、低分子化合物ですが、既存治療で効果不十分な下記疾患の適応が追加されています。(いわゆる新型コロナウイルス感染症の肺炎)

 SARS_CoV_2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)

用法及び用量は下記の通りです。

SARS_CoV_2による肺炎>通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。なお、総投与期間は14日間までとする。