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新薬の承認(ラスミジタンコハク酸塩、R4.1.24)

承認情報掲載のお知らせ(R4.1.24)

 

[PMDAメディナビ掲載内容概略]

配信年月日R4.1.24

医薬品

レイボー錠50㎎、同錠100㎎

一般名

ラスミジタンコハク酸

承認取得者

日本イーライリリー株式会社

審議結果報告書概要

本品目の片頭痛に対する有効性は示され、認められたベネフィ ットを踏まえると安全性は許容可能と判断する。 以上、医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目については、下記の承認条件を付した上 で、以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認して差し支えないと判断した。なお、めまい、傾眠 等の中枢神経症状等について、さらに検討が必要と考える。

用法及び用量

通常、成人にはラスミジタンとして 1 回 100 mg を片頭痛発作時に経口投与する。ただし、患者の状態 に応じて 1 回 50 mg 又は 200 mg を投与することができる。 頭痛の消失後に再発した場合は、24 時間あたりの総投与量が200 mg を超えない範囲で再投与できる。

 

医薬品概要

一般名

ラスミジタンコハク酸

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ラスミジタンコハク酸塩の構造式

薬効分類

5-HT1F受容体を活性化し、三叉神経からの神経伝達物質の放出を 抑制することで、片頭痛の症状を緩和する

Tmax2.5時間、T1/2.3.5時間。雌雄ラット(各 3 例)にラスミジタンの 14C-標識体 6 mg/kg を単回静脈内投与したとき、投与 240 時 間後までの放射能の尿中及び糞中排泄率(投与放射能に対する割合、以下同様)は雄でそれぞれ 60.75% 及び 31.21%、雌でそれぞれ 56.60%及び 28.72%であった。

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以下私見



私見

第一選択のトリプタン系と異なり、インドール骨格のない急性期治療薬というのが見慣れないなあというのが始めの印象です。

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セロトニンの構造式

セロトニンと構造が似ているのでセロトニン作動薬であるというイメージが付きやすく、学生の時に同じように学習した方もいらっしゃるのではないかと思います。トリプタン系は虚血性心疾患や脳血管障害といった禁忌さえなければ第一選択(一応妊婦も有益性が上回れば禁忌ではない。エルゴタミン製剤は禁忌。)であり、副作用も一過性の胸部不快感、咽頭灼熱感、息苦しさ、顔のほてり、脱力感、動悸、異常感覚で危険なものではないのがわかっているため、この新薬がどこまでここに潜り込んでいくのか気になるところです。